第3章 設計方針

3.1 目標

昨年の大会では、テイクオフ直後に主翼が大きく捩れてしまい、不満の残るフライトであった。今年は、最低3000m、当日の天候が良ければ5000m以上をクリアすることとし、チーム記録(1224m)の更新を目指す。

3.2 設計方針

目標実現のためには、確実に飛ぶ機体とすることが大前提である。昨年の設計では空力を重視しすぎたため構造面にまで十分手がまわっていない点もあった。そこで今回の設計では、これまで以上に構造面を重視する。しっかりとした構造が実現できなければ、空力設計は絵に描いた餅になってしまうからである。機体を十分検討された構造にすることが、空力設計どおりの性能を発揮することにつながり、結局飛距離を伸ばす近道であると私達は考える。大会当日に、安全かつ確実なフライトを実現するため、以下の方針に基づき設計を行った。

  1. パイロットの安全を考慮して、コックピット周りの駆動系・操舵系の配置を決める。安全対策については後で詳しく述べる。
  2. 主翼の捩りに対して十分な対策をとる。部材自体の剛性の確保はもちろんであるが、それだけでは十分ではない。部材同士の接合・接着方法についても検討を行い、接合個所がまずいために構造全体としての剛性が落ちるということのないように気をつける。また、輸送のための分割個所も遊びが生じにくい構造に変更する。
  3. 昨年問題となった胴体及びプロペラの桁についても、十分な剛性を持たせるよう注意する。胴体は、昨年よりも若干短くなるが、尾翼面積を大きくすることで十分な安定性を確保する。
  4. 試験飛行や大会会場で確実かつ容易に組み立てができる構造を目指す。調整個所は、テストフライトで見いだした最適なセッティングが本番でも確実に再現できるような構造にする。
  5. 駆動系をこれまでのギヤボックスを用いる方法からチェーンを捩る方法に変更し、軽量化をはかる。

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