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第3回荷重試験

本日9:00~14:30に第3回荷重試験を行いました。

P1050806
主翼の2次構造が付いた状態で行う荷重試験は初めてであり、多少手間どうところがありましたが、

これまでの手順通りに0.5倍、1,0倍、1.5倍と荷重をかけていきました。

0.5倍、1.0倍荷重では何も異常はありませんでした。

1.5倍荷重をかけた後、ファルコンを外してしばらく様子をみることにしました。

3分ほど経過したとき、右中央内の接合部で異音がし始め、しばらく異音が続いた後、バンッという大きな音がしました。

解体後に翼を確認したところ、右内翼接合部にクラックが入っていました。

クラックは

・軸方向、接合部の端から接合部品までの300mm

・周方向、接合部品を起点に下面側に約半周

P1050857P1050858

の2個ありました。

作業にかかる時間や安全性などを考慮した結果、内翼接合部を左右ともに400mm切り落とし、新たに接合部を作ることにしました。

また、桁の修理に伴い、荷重試験をもう一度行うことを決定いたしました。

荷重試験を7/17(水)に行うことを目標に作業を進めて行きたいと思います。

2013年度第13,14回試験飛行報告(07.06,07)

遅ればせながら、先週7月6日(土)および7日(日)早朝に実施しました第13回・14回試験飛行について報告いたします。

 


7/6(土) 1日目

初日の6日は組立開始時刻の02:00時点で滑走路上で風速約9m/sの強風が吹いており、結局05:00になってもやむことはなかったため、残念ながら1本もフライトを行えませんでした。

7/7(日) 2日目

今回はTeam’F’,T-MITと計3チームで合同で滑走路を使用しました。2:00に組立を開始し平常通り操舵試験、駆動試験を行った結果異常はありませんでした。4時前のまだ暗いうちに機体を北端から南端へ移動し、フライトの準備をはじめました。機体のセッティングは前回の試験飛行の最終フライトと同じで、日の出とともにフライトを開始しました。尚、今回までのログviewerのエレベーター切れ角の表示が不正確だったことが試験飛行に出発する前の動作試験で発覚したため、今回から修正してあります。
風は1本目と2本目のフライト実施時にはほぼ無風でした。


1本目:飛び切り直線飛行 4:25
約750mの滑走路を利用して行いました。最大対気速度は10m/s、回転数は100rpm、高度は2mでした。 プッシャーの手が離れた後一瞬左へそれましたが、滑走中に操舵で修正し、浮上後は時折エレベーターを入れながら若干頭上げ気味ながら、安定した飛行を見せました。

この後、パイロットの要望により、トリムを0.5アップにし、3.5度にしました。

2本目:S字飛行 4:50
距離は1本目と同様で行いました。最大対気速度は10.5m/s、回転数は98rpm、高度は2.5m/sでした。
真っ直ぐ滑走した後に浮上し、最初に右(東側)に緩やかに弧を描き、次に左(西側)に弧を描いた後に着地しました。

この時点で、琵琶湖での飛行に向けた機体のセッティングは完全に完了したとみなし、以降はパイロットの操舵訓練を意識して行うことに決定しました。

3本目:S字飛行 5:40
距離は1本目と同様で行いました。最大対気速度は10m/s、回転数は90rpm、高度は3mでした。 前のフライトと同様に若干大きめに弧を描き飛行しました。風は正面から0.1m/sでした。

4本目:S字飛行 6:09
このフライトは、時間的に今年の最後から2番目のフライトになる可能性が高かったことから、機体性能評価と操舵のより一層の習熟を狙って、前のフライトより大きめに舵を切るよう、フライト前にパイロットに指示しました。最大対気速度は10.5m/s、回転数は110、高度は3mでした。
このフライトも右に最初に舵を切る予定でしたが、離陸直前にわずかに左にロールしており浮上後機体は左に進んだため、そのまま左に弧を描いた後右に弧を描くコースにその場で変更しました。両旋回とも滑走路の敷地内ぎりぎりまで機体が到達し、右側への弧を描いた後、滑走路へ機体を戻す際に舵を切りすぎてしまい、機首を滑走路方向に戻しきれないまま 滑走路脇の草地へ墜落しました。幸い、パイロット含め怪我人は発生しませんでした。 風は進行方向右から0.5m/sでした。


今回の試験飛行が最終の試験飛行の予定でしたが、墜落によりコックピットの前部パイプが破断、フェアリングと水平尾翼が中破したため、修復が出来ても重心位置が大幅にずれることが考えられるため、修復が完了し、翼桁の荷重試験を行い安全が確認出来次第、再び最終試験飛行を行う予定です。

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wiki更新さぼってすいません。

こんにちは。ペラ班員のかまきりです。皆さんお久しぶりです。 すでにうゆ氏も書いていますが、2号ペラが(ほぼ)完成しました。 塗装も済ませ、写真のような感じに仕上がりました。

IMG01091
青が頭。赤が首輪。白が胴体。この配色はどう見ても22世紀のアイツです。

2号ペラなのですが、外皮貼りまで終わったところで、両ブレードに30g以上の重量差があることが判明しました。あわわわわ。 そこで、軽い方のブレードに、10gほど表面処理のためのサーフェイサーを余分に塗布し、水平つり合いを調整しました。 先日の試験飛行でも特に問題は見られなかったので、琵琶湖で使用するのはこの2号ペラになると思われます。 あとはスピナーですね。今週末の試験飛行までには完成させたいです。

以上、かまきりでした。

2013年度第12回試験飛行報告(06.30)

先週30日(日)早朝に実施しました第12回試験飛行について報告いたします。

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今回はWASAとの合同TFになり、F-tecは北側400~600mの滑走路を使用させて頂きました。風が強く、予定していた本数のフライトを行えなかったのが悔やまれます。

1時40分に組立を開始しました。組立は3時に終わり、その後の操舵試験中に、前回の試験飛行の後に交換したエレベーターサーボの固定部のネジを1本締め忘れたのが見つかったため、その場でプランクを切り開いてネジを締めました。エレベーターの前縁のスタイロの裏側で非常に見にくい場所でしたが、事前チェックの甘さが痛感されました。その場で全サーボ、駆動系のネジの確認を行いました。また、操舵試験後の駆動試験で、椅子の背もたれのスタイロが割れましたが、フィラメントテープを上から巻き対処しました。

その後、重心測定直前にパイロットが周囲の人へ十分に告知せずにペラを回転させ姿勢確認を行ってしまいましたが、幸い事故にはいたりませんでした。この際前側の体重計の測定手が驚き、その後ずれた姿勢で測定を行ったためか、最初に得られたデータでは明らかに前部車輪の重量データのみ1kg以上前回とずれた結果となってしまいましたが、その後測定手の姿勢の確認、機体の乗せ直しを行ったところ、ほぼ計算通りの結果(予測重心位置とのずれは約2mm)となっため、この値を採用しました。

尚、今回はおもりをテールに100g追加し計300gにし、尾翼トリムは2.5°のまま、車輪は「0.4°迎角上げ」の物を使用しました。

更にプロペラは完成したばかりの2号ペラを使用しました。この2号ペラは第4回試験飛行の際の駆動試験で1号ペラの外皮に亀裂が入った不具合を受けて、リブと外皮の接着面積を増やすなど工夫をしています。これにより重量は1号と比べて増加しましたが、使用して問題は見受けられなかったため、大会では2号ペラを使用します。

1本目のフライト直前にコックピット内のタブレットが計器との接続エラーを起こしたため、表示するプログラムのバージョンを前の物に戻し、対応しました。

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* 1本目:中距離試験  (4:38)
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風は南西から1.5m/s、回転数は95、対気速度8.5~11.5m/s、最高高度は約2mでした。滑走中にヨーしたため、グラウンドクルーがストップを掛けましたが、同時に浮上したため、パイロットの判断によりそのまま、浮上してコースを修正しつつ300m程飛行しました。風の影響かピッチングの多い飛行になりました。また、着陸時にグラウンドクルーの最終ライン直前まで迫ってしまい、グラウンドクルーがとっさの判断で翼の下を前側からくぐって機体を止めました。この後グラウンドクルーの配置位置の見直しを行いました。
尚、着地時の衝撃でチェーンが外れてクランクに絡まり、テンショナーに無理な力がかかりテンショナーと引きばねを結ぶケブラーが切れました。まだ、若干頭下げの傾向があると判断したため尾翼トリムを0.5°アップに入れて3°としました。

フライトの後、機体を滑走路北側へと移動しテンショナーのケブラーを巻き直し再開しました。

* 2本目:中距離試験  (5:05)
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風は南南西から1.5m/s、回転数は95、対気速度は9.5~12m/s、最高高度は約2mでした。トリムアップの他パイロットに意識的にエレベーターの操作を減らすよう指示したこともあり、上下のピッチングは改善されましたが、やはり多少不安定な飛行になりました。機体が水平時に高度を失う傾向が少し見られ、無風の場合若干頭上げでの飛行が安定すると思われます。2本目も着地後にまたチェーンが外れ、ケブラーが切れました。

今回の試験飛行ではチェーンを今まで使用していたものと少し違う型の物に変更したため、外れた後に今までと違う絡みつき方をし、テンショナーのケブラーを切断してしまうものと思われます。次回以降は、前回までと完全に同じ型のチェーンを使用する予定です。この場では前回使用のチェーンに交換しました。

5:40程に修理は完了しましたが、その後1時間程風が土手側から2m/s~4m/sと断続的に吹き続け、風待ちを行いました。

* 3本目:C字飛行  (6:37)西南西から風が1.5m/s~2m/sで吹いていました。滑走中にエルロンで復帰不能なほど機体が風でロールしたため、滑走路上でストップをかけました。

この後、フライト可能なほどには風が弱まる気配がなかったため、発進練習を行いつつ、風待ちを行うことにしました。

* 発進練習1本目  (6:53)
プッシャーが機体のロールを抑えることが出来、前回よりも比較的まっすぐ発進することができました。

* 発進練習2本目  (6:58)
風の影響かロールがまたついてしまい、それを直そうとしてプッシャーの一人が想定されるプラットホームの位置からはみ出してしまいました。

その後、少し風が弱まってきたためまたフライト待機に移りました。

* 4本目:C字飛行  (7:14)
滑走中に右に大幅にヨーしたため、滑走路上でストップをかけました。この時間も主に西から風が吹いていたため、風見効果だと考えられます。

7:18に解体をはじめ、7:55に無事滑走路上から撤収完了しました。

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今回のフライト本数が少なくなってしまった一番の原因は横風が強かったことですが、電装類の本郷でのチェックの強化、駆動系のチェーン周りの見直しが課題としてあがりました。

次回が最終試験飛行の予定で、機体の重心位置の変更は今後は行いません。今回の試験飛行でパイロットがエレベーターの操作に習熟でき、かつ直線飛行の自信を得たため、次回はエルロンを用いたC字・S字飛行を中心に行います。よろしくお願いします。


全フライトの動画は以下のリンクよりご覧ください。
2013年度 飛行理論実践委員会F-tec 第12回試験飛行

二号ペラの話

今日レ£ぁ⊃レヽτ〃£Йё

⊇ωレニちレ£

・・・ギャル文字はこれまでにします(笑)

二号ペラがほぼ完成しました!
写真は後で載せます
あとは表面処理するだけです
とりあえずもうプロペラは作りたくないです(笑)
二号ペラは一号ペラと少し作りを変えました
具体的には一号ペラのTFや駆動試験でメキメキいってたリブ接着の部分をエポキシ樹脂で貼付けしました
あとペラチップも変えました
一号よりは良い出来になったので使用が楽しみです。
あともう少しwiki更新がんばります・・・

2013年度第10,11回試験飛行報告(06.22,23)

先週22日(土)および23日(日)早朝に実施しました第10回・11回試験飛行について報告いたします。


1週間前の第9回試験飛行は、直前の天気予報判断で土日で決行に踏み切ったものの、残念ながら飛行場の現場で予報以上の激しい雨に見舞われ、1本も飛ばせないまま撤収となりました。昨年度までは飛行場に赴いたもののフライトを行えなかった場合、試験飛行の回数に含めませんでしたが、今年は諸々の混乱を防ぐため中止となった前回も回数として計上します。

今回は21日から23日にかけて連続試験飛行を行い、天気は両日恵まれ、無事フライトを行うことができました。

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ぺらはぶ

遅くなりましたが、今年のペラハブの話をば。

設計についてはペラ班の記事に書いてあるので省略するとして、手短に書くとハブを今までのシャフトに対し半径方向より2本のネジで止めていたのを改め、軸方向からの1本のネジで止める構造にしました。

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できました。

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一応、解析をしました。

DSC_0066
旋盤とフライスで意外と色々出来るもんですね…写真はペラのスペーサーが収まる部分の円筒を薄くしてるところ。

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組み上げてみるとこんな感じです。まだ、ねじ止めしてませんが。。。

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ペラハブ削り終えた後に見つけたのですが、昔も色々とつくってたようですね。

第8回TF時点で問題無いようなので来年以降もこの構造で…

ペラ壊れました

まめです。 後輩が更新してくれません。

ペラ壊れました。

IMG_8176 IMG_8177

損傷は片方のブレードのみで、修復可能なレベルなので、修復して予備に回そうと思います。

次回のTFからは2号ペラを使います。

2013年度第8回試験飛行報告(06.08)

6/7(金)夜から6/8(土)早朝にかけて第8回試験飛行を行いましたので報告致します。


今回は早稲田大WASAと電通大UECwingsと共同での試験飛行となりました。協議の結果、割り当てはF-tecは滑走路の北側400mを使用することとなりました。途中、2チームが解体に移ったため、最後(10本目)のフライトは北側600mを使い中距離試験を行いました。

本郷にて機速計の検証を行い、バグの原因だったロータリーエンコーダからのサンプリングレートを十分大きくして今回の試験飛行に臨みました。本郷にて風を機速計に当てて動作試験を行った結果、前回頭打ちとなった80程度より大きな値が出ていたので、機速計のデータは校正できたと考えられ、実際に試験飛行をしていく中で、機体の挙動に見合った機速が測定されていました。

2:15に組立を開始し、3:30に終了しました。その後全機組み上げの後以前から少しずれているのではと疑われていたラダーのニュートラルの調整をし、操舵試験を行い無事に終了しました。その後駆動試験を行い、パイロットの要望でプロペラのピッチ角を2°から0°に変更し、機体をフライトのスタート位置へと移動開始しました。

風は終始北向きの成分を持っていたので、すべてのフライトで滑走路中央及び滑走路中央より南側100m地点から北向き(10本目のみ)に向けて飛ばしました。


  • 1本目:走行試験
    後輪を交換したため、走行試験を行いました。まっすぐ走行して車輪に問題がないことを確認しました。

  • 2本目:中距離試験
    2
    https://www.youtube.com/watch?v=wAppWo84zD0

風は1時の方向から2.6m/sでした。機首を左に向けながらエレベータで浮上し滑走路から飛び出しましたが、ラダーとエルロンを使って滑走路に戻しました。着陸時にエレベータを戻すと機体は頭下げに降下しました。
回転数は90、対気速度は浮上直前が10m/sで浮上後は9.0m/sでした。

  • 3本目:中距離試験
    風は1時の方向から1.5m/sでした。ロールとヨーをエルロンとラダーで直しながら滑走しました。
    エレベータを機首上げ方向に短く数度切りましたが、浮上には至りませんでした。回転数は90、対気速度は10m/sでした。

  • 4本目:中距離試験
    滑走中に左にロールしていったため、すぐストップをかけました。風は1時の方向から2m/sでした。

  • 5本目:中距離試験
    風は1時の方向から1.5m/sでした。機体が浮く気配がなかったため、あらかじめ決めていたストップラインでストップの合図をかけました。回転数は100、対気速度は10m/sでした。

この日は機体が加速するにつれて右へヨーイングしていく傾向にあったため、ここで再びラダーのニュートラル位置を調整しました。さらに、ペラピッチを0度から0.5度としました。

  • 6本目:中距離試験
    風は1時の方向から1.1m/sでした。まっすぐ滑走してエレベータを短く入れましたが浮かず、ストップをかけました。回転数は100から徐々に90へ落ち、ストップ直前の対気速度は10m/sでした。

  • 7本目:中距離試験 (1時の方向から風速1.1m/s)
    最大回転数は100程、最大対気速度は10m/s程でした。安定に滑走するも、浮上には至りませんでした。

7本目の後に尾翼トリムを3度に変更しました。

  • 8本目:中距離試験(1時の方向から風速1.4m/s)
    最大回転数は100程、最大対気速度は9.5m/sでした。滑走中に左に大きく逸れるも、操舵で無事に戻せました。しかし浮上には至りませんでした。

浮上する気配が見受けられなかったので、後輪の車輪を変更し「迎角0.4度増し」の状態にセットしました。

  • 9本目:中距離試験(1時の方向から風速2.0m/s)
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    https://www.youtube.com/watch?v=yidalchMUJ8

光学式回転数計が日の光の影響を受け、回転数が正しく計測できませんでした。最大対気速度は10m/sでした。プッシャーが一人機体を離した後に転倒するアクシデントがありましたが、幸い膝を軽くすりむく程度で済みました。今回は機体は浮上しましたが、浮上中に大きく速度を失い、高度をすぐに失ってしまいました。高度を失うと同時に速度も回復し再浮上し、2度目の着地の衝撃で、操縦桿、グリップの接着されたカーボンパイプのハンドルが取れてしまいました。幸い着地後だったので大事には至らずパイロット、地上員に怪我などはありませんでした。

10本目:中距離試(北西から微風)
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回転数のデータはとれませんでした。最大対気速度は10m/s程でした。
浮上後機体が右に逸れたのでラダーを左に切った直後ラダー、エレベーターの操舵が全く効かなくなり、エルロンも操縦桿のスイッチが物理的に故障し操縦不能に陥り、そのまま機体は左の少し丈の高い草の草地に入り込んでしまいました。幸いにもパイロット、グラウンドクルーに怪我はありませんでした。機体への損害自体も、プロペラの片方のブレードの損害を除けばほとんど見受けられませんでした。尚、機体を滑走路上へ戻した直後の操舵試験ではエレベーター、ラダーの正常な動作が確認されました。

分析により、故障の原因は老朽化したサーボの動作不良と発覚し、全サーボの買い直しを決定しました。尚、他にも操縦系統の電装類は各種ショート対策、操舵面一つ故障時に全て動かなくはならない様な対策を施すことを決定しました。次回以降、各フライト後の電装類の各部チェックも強化します。


今回のテストフライトを通して、琵琶湖での安定したフライトには、パイロットの習熟と最適なペラピッチ角、尾翼トリム角の調整がまだ必要と分かりました。来週の初期設定は今回の最終機体設定を踏襲する予定ですが変更される可能性もまだあります。

全フライトの動画は以下のリンクよりご覧ください。
2013年度 飛行理論実践委員会F-tec 第8回試験飛行

2013年度第6,7回試験飛行報告(06.01,02)

5/31(金)から6/2(日)にかけて第6回、第7回試験飛行を行いましたので、報告いたします。

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今回は木曜日時点で、土曜日日曜日の天候が同様に不安定と予報されていたため、どちらか1日だけでも試験飛行を行うべく2連TFの予定で出発しました。

1日目は首都大学東京T-MIT、2日目は静岡大学ヒコーキ部と共同での試験飛行になりました。2日とも協議の結果F-tecは滑走路の北側500m
を使うこととなりました。

また、今回よりフライトの動画は機体が浮いたものに限って貼付けし、ログも追加しました。以前の試験飛行報告も順次変更していきます。
それ以外の動画に関してはページ下部にある動画リストへのリンクを辿っていけば見られます。

6/1(土) 1日目(第6回)

2:30に組立を開始し、3:40には問題なく完了しました。その後の操舵試験で、エレベータのトリムをいじると切れ角の中心位置がずれる事が判明しましたが、問題無いということでそのまま続行しました。また、操縦桿周りの配線の接触が悪く、エルロンを切った後ニュートラル位置に戻らない不具合が発生しましたが、ケーブルを差し直したところ正常に動作したので操舵試験を終了しました。これらの点は次回のTFまでに見直しを行います。


  • 1本目:走行試験(4:25~)
    回転数は最大100、機速は8でした。エレベーターのトリムは1.6度、翼位置は組み立て試験のときより55mm前とし、車輪は迎角1.8度増しのものを使用しました。

風は北東からの微風だったので、滑走路中央から北向きに飛ばしました。

滑走中に左へ逸れ、土手側の滑走路の凸凹がある場所に侵入しましたが、草地には入らずに済みました。
* 2本目:ジャンプ試験(4:37~)
1本目の後、南からの風が吹き始めたので、北端に機体を移動し南向きに飛ばしました。

回転数は最大で103、最大機速7.8m/sで、尾翼トリムはアップに3.2度へ変更しました。

スターティングメンバーの手から離れた後、機体が左にヨーして行き、その時点でパイロットがエレベーターを入れたため、機体が滑走路外に向かいました。このままでは機体が滑走路外の茂みやグラウンドクルーに正面衝突するとパイロットが判断したため、その場で高度を上げ右に舵を切り徐々に滑走路の中心へ機体を戻し、着陸しました。このフライトで、左翼が
2回滑走路外の木に接触しました。

幸いにもパイロット、グラウンドクルー共に怪我人はいませんでしたが、1
度目の浮上後のストップがかかった時点でエレベータをニュートラルに戻し、再浮上をしなければ草地に突っ込むだけで済んだのではないかとも思われます。

フライトの直後にチェックを行いましたが、損傷は軽微で左内翼の前縁部が割れたのみだったので続行可能と判断し、破損箇所にフィルムテープを貼り応急処置をしました。

このフライトで、パイロットの意識に対してエレベータの切れ角が大きくなってしまう傾向が見られたので、エレベータのゲインを25%に落としました。
* 3本目:ジャンプ試験(5:16~)
回転数は最大で100、 最大機速は7.8、トリムは3.7度でした。
エレベータのゲインを変更している間に風向きが北からに戻ったため、スタート位置を滑走路中央からに変更しました。滑走中に左にロールしたものの、ラダーで戻し、一瞬後輪が浮上しました。
* 4本目:ジャンプ試験(5:26~)
回転数は95(最大100)、 最大機速は8.0m/s、トリムは3.7度でした。

エレベータを入れるときにほぼ同時に左へロールしていると見られ、パイロットがエレベータを切るときに、操縦桿を微かに斜めに操作してしまっているためラダーも切れている可能性が上がりました。後のTFで操縦桿の感度に遊びをつけることにしました。

この後、まだ安定性が強いため重心を動かす余地があると判断し、翼位置を10mm前へ移動しました。同時にエレベータのゲインを25%から33%にし、トリムも2.6度へ変更しました。
* 5本目:ジャンプ試験(6:06~)
回転数は最大で93、最大機速8.1m/sで、トリムは2.6度でした。

スタート直後右にヨーイングしたので、パイロットがラダーで修正しました。結果左にロールしていったのでストップを掛けました。ストップの声が聞こえてから少しして機体が浮上し、ジャンプ、着地しました。

 

* 6本目:短距離試験(6:21~)
最大回転数は89、最大機速は8.3m/s、トリムは2.6度でした。
この回は終始横滑り、左へロールしていました。機体の挙動としては、エレベータを入れたことにより何度か前輪が浮いたものの、浮上はしませんでした。停止後焦げたような臭いがしたため機体をチェックしたところ、滑走中の横滑りにより後輪が融けていました。後輪を交換し7本目に進みました。
* 7本目:短距離試験(6:38~)
最大回転数73、最大機速は8.3m/s、トリムは2.6度でした。

プッシャーが離れた後から左に大きくロールして滑走しましたが、浮上する気配がなかったためストップを掛けました。6本目直前から、川からの横風がしだいに強くなっていく傾向にあり、その横風に煽られたと思われます。また、この回よりパイロットの疲労が顕著になり、回転数が落ちていきました。
* 8本目:短距離試験(6:50~)
最大回転数は70、 最大機速は8.2m/s、トリムは2.6度でした。

スタート後すぐに右にロールしたためストップをかけました。その際草地に少し突っ込んでしまいました。
* 9本目:短距離試験(7:03~)
最大回転数は68、 最大機速9m/s、 トリム2.6度でした。

左に大きくロールし、浮上する気配もないためストップを掛け、エルロンでロールを直した後停止しました。
* 10本目:短距離試験(7:14~)
最大回転数70、 最大機速8.2m/s、 トリムは2.6度でした。右に大きくヨーイングしたためストップをかけました。
10本目の終了直後に解体を開始し、8時までに無事撤収しました。
また、今回のTFの途中で新入生1名がめまいや立ちくらみなどの症状を訴えたため、グランドクルーから外し休息を取らせました。典型的な脱水症状で、水分及び塩分の摂取を怠ったことが原因と思われます。
TF参加者に水分摂取を行うようには指示をしたのですが、梅雨入りで喉の渇きを感じにくくなっていたことを考慮し、もっと強く勧めるべきであったと反省しています。

2日目 6月2日(日)

2日目も2時半に組み立てを開始し、2時40分に終了しました。機体の最初のセッティングは1日目の終了時と同じにしました。エレベーターのトリムは機首上げ方向に2.6度、翼位置は4月の組み立て試験時より65mm前です。

風は主に北側から吹いていたため、9本とも北向きに飛ばしました。


* 1本目:短距離試験(4:29~)
回転数は最大100、対気速度は最大8m/s、北からの風2m/sでした。滑走時に左に逸れ、浮上後に滑走路から飛び出しましたが、操舵で戻しました。
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このフライトでチェーンのテンショナーのバネが外れたので、テンショナーにかかる力を小さくするためにばねを長いものに交換しました。また、エレベータのトリムは機首上げ方向に2.1度に変更しました。

* 2本目:短距離試験(4:50~)
回転数は最大100、対気速度は最大8m/s、北風0.6m/sでした。エレベータを入れて機首上げ状態のまま飛行しました。ここまで滑走路は北側400m
を使用していましたが、3本目以降は距離を100m伸ばし、中距離試験を行いました。
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* 3本目:中距離試験(5:00~)
回転数は最大100、対気速度は8m/s、北風1.2m/sでした。フライトの挙動は2
本目とほぼ同じで、インパルスでの浮上後、エレベータを入れている間は頭上げで飛行するも、ニュートラルにすると機体は頭下げに高度を失って行きました。
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* 4本目:中距離試験(5:13~)
回転数は最大90、対気速度は8m/s、北風1.9m/sでした。つり合い飛行時の迎角を減らし速度をより出すために尾翼トリムはアップ1.5度にしました。機体がプッシャーから離れた直後に左にロールし、草地の方向へそれたため、インパルスで短期間浮上したものの、すぐにストップをかけ着地しました。
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* 5本目:中距離試験(5:22~)
回転数最大90、対気速度は8m/s、尾翼トリムはアップ1.5度でした。今回も4
本目同様、機体がプッシャーから離れた直後左へロールし、浮上前にストップをかけました。

この時は北から約60度の方向から0.1~0.2m/sの微風があったのみで、風がロールの原因ではなさそうでした。
* 6本目:中距離試験(5:29~)
回転数最大90、対気速度は最大8m/s、北風1.9m/sでした。示した挙動は2、3
本目とあまり変わらず、エレベータを入れている間のみ頭上げで飛行し、戻すと高度を失いました。パイロットの疲労が少し見られ、回転数は低めでした。
7-6

 

この後、パイロットの要望によりペラピッチを2度から1度に変更。更に、地上滑走時の抵抗を減らし滑走時の加速を増やすため、前輪を今までの迎角を1.8度上げるものから1.4度上げるものに変更しました。
* 7本目:中距離試験(6:05~)
回転数最大90、対気速度は8m/s、北風は0.3m程度でしたが、東風が1m/s程ありました。インパルスを入れるも、回転数が足らず浮上には至りませんでした。停止時に、後輪のゴムのタイヤが焦げる異臭が少ししました。機速計では反映されていなかったものの、プッシャーによると、地上での加速は以前より増した様で、GPSの対地速度計では8.6m/s程と観測されていました。

* 8本目:中距離試験(6:13~)
7本目と同じセッティングを維持しました。回転数最大90、対気速度は8m/s、北風0.6m/sでした。
7本目とほぼ同じ挙動を示し、浮上する兆しがなかったため、この後再び前輪を迎角1.8度増しの物に戻しました。

* 9本目:中距離試験(6:34~)
回転数最大100、対気速度は8m/sでした。
スタート直後に再び左にロールしたため、ストップをかけました。東風が1.9m/sで、事前に決めていた2m/s以下ではあったため行いましたが、この結果を受け次回は真横から1m/s以上の風が観測された場合は風を待った方が良いと結論付けました。
この後、ペラピッチを2度に戻しました。更に車輪のチェックで、後輪のゴムのタイヤの左側が著しく削れていたことが発覚したので交換しました。尚、全体的に滑走直後に左に機体がロールする傾向が見受けられますが、車輪交換直後も起きていることから、車輪の原因である可能性は低いと思われ、左右の翼の揚力差又は剛性差、風の影響又はエレベータの取り付け角度のずれなどが原因として考えられます。

ペラピッチ変更後の駆動試験で前部からカリカリという異音が聞こえたため一度回転を止めました。原因はペラハブのホースバンドの緩みであると分かり、締めなおした後異音は消えました。

この後、風速3m/s以上の東風が続いたため、風待ちをしましたが止む気配はなかったため、7:11に撤収を開始しました。


今回のすべてのフライトで、高速域で対気速度計が回転数とは相関無しに常に最大で7.8m/s~8m/sを出力していました。本郷で動作試験を行ったところ、バグにより風速7.8m/s以上は正常に表示されない事が発覚し、修正しました。しかし、グラウンドクルーが走って難なく追いつけて機体をキャッチできていることから、対地速度は昨年度の機体と比較しても遅いと考えられます。

今回のTFでは2連でパイロットの疲労も垣間見え全体的に推力不足でないかとの意見も出ており、合わせてプロペラの推力及び機体抵抗の見積もりの確認も検討しております。
次回のセッティングは今回の結果を熟慮し、木曜日に決定する予定です。


今回の試験飛行の動画はこちらにアップロードされています。

第6回試験飛行

第7回試験飛行