カテゴリー別アーカイブ: 試験飛行報告

第8回試験飛行

6/21(土)の早朝行いました第8回試験飛行についてご報告いたします。

今回は横浜国立大学AEROSPACE、静岡大学ヒコーキ部、東海大学TUMPAさんとの4チーム合同でのTFとなりました。 協議の結果、我々は北側500mを東海大学さんと共同利用することとなりました。

前回のセッティングよりエレベータトリムを機首上げ方向に2度入れて、今回の初期設定としました。
組み立て後操舵試験を行い、特に異常はありませんでした。
駆動試験では、90回転を15秒行い、今までの上のギアからのカチャカチャという音はなくなりましたが、下のギア周りからギシギシという音がしました。これはおそらくドライブシャフト下端のギアの軸とベアリングとの間に隙間ができている部分があり、力がかかるときに摩擦か何かで音がしてしまうと思われます。これも設計ミスで、修復はできませんでしたが、音を削減できないかとゴムのような素材のものを音がすると考えられる部分に巻きつけてみました。結果、最初の3本とその後の駆動試験では音は特に聞こえませんでしたが、発進練習の途中から再びギシギシとなりだすようになったので、やはり根本的な修復をすべきだと考え、次回までに何らかの対策を致します。
重心測定は風が強かったので中止いたしました。

天気は曇り、南からの風で若干西からの風が入っていました。 フライトはすべて南向きに行いました。


以下詳しい内容です。

1本目:短距離試験
エレベーターを入れて浮上したところ左に逸れ、激しく着地しました。この時、機体の姿勢が大きくずれてしまい、制御不能となって草むらに入りました。その後、前輪が障害物に当たり、前輪を中心に回転した後に停止しました。
幸いにもパイロット、部員にけが人はありませんでした。
前回のフライトよりも正対の風が強く、操舵が強く働いてしまいました。また、パイロットが浮上後にエレベーターをダウンに入力してしまったのが激しい着陸の一因と考えられます。
前輪に大きな負荷がかかったため、軸受けの接着が完全に剥がれてしまいました。 その場で予備のものと替えることで対応しました。
エレベーターの舵角を±4度に変更し(前回比エレベーター舵角±6°→±4°)、トリムを機首上げ1.0度としました。(前回比1.0°機首下げ)
機速:10.5 回転数:110 でした。

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2本目:短距離試験
予備の車輪は今期使用実績のある車輪だったので、走行試験は不要と判断しそのまま短距離試験へと移行しました。
滑走後、エレベーターを入れて浮上しました。少しの間滞空した後機首下げになって着地しました。
若干機首上げモーメントが大きいと判断し、トリムを機首上げに0.5にしました。(前回比0.5度機首下げ) 機速:11.0 回転数:110 でした。

 

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3本目:短距離試験
滑走中の機体の姿勢を直すために右にエルロンを切り、ニュートラルに戻したところで左エルロンのリンク機構が可動域を逸脱し初期状態に戻らなくなりました。
リンク機構が戻らなかったことでサーボモーターのホーンが破損したような挙動を示したためフライト続行は不可能と判断し、重心測定、発進練習を行いました。

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重心測定を行い、測定誤差を小さくするため前輪後輪の体重計を入れ替えたところ、片方の値が大きくぶれてしまいました。続行は不可能と判断し中断しました。

東海大学の機体との接触を避けるため、北へ向けて発進練習を5本行いました。大会本番のプラットホームを想定し、スターティングメンバー5人のうち翼持ちを除く3人で、10mの間だけ機体を押す練習をしました。
事前に想定していなかった事態のため準備に手間取ってしまった以外は、大きな問題なく終了し、撤収しました。

第6,7回試験飛行

6/14(土)と15(日)の早朝行いました第6・7回試験飛行についてご報告いたします。

第6回試験飛行

前回とはセッティングを変えずにフライトを行いました。 (迎え角:3.6度、重心位置:初期位置より60mm前、エレベータートリム:UP2度、ペラピッチ:-1.0度)

1時に組み立てを開始しました。組み立て時に北からの風が強く、機体を北向きにしてラダーを組み立てました。右内翼端の接合のためのボックスが破損しましたが、その場で修理しました。

駆動試験では、90回転を15秒行ったところ、カチャカチャという周期的な音が鳴り出しました。この異音は以前からあり、毎回改良しては再び鳴りだすということを繰り返してきたもので、桁内部のドライブシャフト側のギアの軸が傾きベアリングが動くことによると考えており、ベアリング止めのフランジをステンレスで作り、ドライブシャフトに用いている2つのユニバーサルジョイントのうち上側のものを曲がらないように固定する(つまりユニバーサルジョイントの機能を奪う)ことでギアの軸をできる限りまっすぐにしてベアリングのガタつきを防ぐという対処をしていました(設計ミスですが、軸にそもそもガタができてしまっていることが分かったので、上側のユニバーサルジョイントを固定してもよほどのことがない限り問題はないと考えています)。
今回の駆動試験ではユニバーサルジョイントを固定しているパーツがだんだん壊れてきて再び異音がするようになったと思われます。修理はこの場ではできませんでしたが結局のところ前回のTFとほぼ同じ状態となったので、フライトを中止にするほどのことではないと判断しました。

今回は首都大学T-MIT、横浜国立AEROSPACEとの合同TFで、F-tecはT-MITと滑走路北側500mを相互利用することとしました。6本目で横浜国立さんが撤収したため、その後は北側400mを単独で使用しました。

常に北からの風であったため、フライトはすべて北向きに行いました。今回は機体の高度を保って滑空させることを目的とした短距離試験を行いました。


1本 短距離試験
滑走中にフェアリングのドアが落下し、破損しました。たびたび起こったドアとドア周りの骨の破損により、ドアがフェアリングの形状に合わなくなっため、固定が甘くなったのが原因と考えております。この場での修理は断念し、フィルムで閉じることで対応しました。

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2本目 短距離試験
機体の速度が上がりきったところでエレベーターを入れて浮上しました。エレベーターから手を離すとすぐに頭下げになったので、まだ機首下げ方向のモーメントが強いと判断し、トリムを機首上げ方向に0.5度増やしました。(UP2.5度)
機速:10.5 回転数:110 でした。


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3本目 短距離試験
機体が大きくそれていったため、回転数を上げることなくストップさせました。 また、滑走路中央の白線が加速を妨げていることが考えられるため、このフライト後はスタート位置を白線の前からにしました。
機速:9.8 回転数:100でした。

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4本目 短距離試験
右に多少それながらも滑走し、機速10を越えたあたりから後輪が浮き始め、頭下げの状態で滑空しました。その後着地し、左にそれて停止しました。この時エレベーターは入れていませんでした。
機速:11.5 回転数:118でした。

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5本目 短距離試験
発進時に右にそれてしまい、修正しながら滑走、エレベーターによる浮上をしましたが機速が足りず、滑空には至りませんでした。
機速:10.0 回転数:115でした。
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このフライトの後T-MITと交代しました。この時間を使ってエレベーターの舵角を2/3に下げました。(±12度→±8度)
6本目 短距離試験
左にそれながら滑走し、エレベーターを入れることで浮上しました。機速が十分ではなく。すぐに着地しました。 機速:9.5 回転数:105でした。

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7本目 短距離試験
スタメンが離れた後浮上、左にそれたのでストップをかけました。浮上後も機速が上がらず、そのまま着陸しました。 機速:11.0 回転数:110でした。

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8本目 短距離試験
右にそれていったため左にラダーを入れましたが、入れすぎたため左に大きくそれました。エレベーターを入れず、浮上もしませんでした。
機速:10.5 回転数:110でした。
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9本目 短距離試験
前回のフライト後、ペラピッチを0.5度上げました。(絶対値:-0.5度) また、同時にエレベーターの舵角を初期値の1/3(±6度)に下げました。 わずかに浮いた後回転数を落としてしまったため、滑空には至りませんでした。
機速:10.3 回転数:108でした。

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10本目 短距離試験
滑走後すぐに正対の強い風が吹き、浮上、急激な着陸という危険なフライトになってしましました。幸いにも機体の損傷、けが人はありませんでした。今後、強風でのフライト中断の判断基準を明確化するなどの対応をいたします。
機速:10.5 回転数:112でした。

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撤収時にパイロットの漕ぎ易さを考慮し、ペラピッチを0.5度下げました。(絶対値:-1.0度)

第7回試験飛行

組み立て時に1日目と同様に北から強い風(2~3m/s程度)が吹いていたため、ラダー以外を組み立てた後、機体を北向きにし、ラダーを取り付けました。また、この風のため重心測定は困難であると判断し、中止といたしました。
組み立て後は操舵試験を行い、エレベーターが一瞬だけ僅かに振動したように見えました。操舵試験バグは判明していませんが、フライトには支障ないと判断し続行しました。
駆動部についてですが、機体の組み立ての前に前述のユニバーサルジョイント固定パーツを作り直し、さらに固定を強化したので駆動試験では異音は特にありませんでした。

T-MITとの共同使用で、我々は北側400mを使用しました。 また、部員の疲労を考慮し、3本目終了時点に小休憩を挟みました。


1本目 短距離試験
エレベーターを入れて浮上しましたが、機速が十分でなく、すぐに着陸しました。なお、この時のフライトログは機器の動作不良により取れていませんでした。

2本目 短距離試験
エレベーターを入れて浮上しました。しかし、設計機速に達しておらず、すぐに着地しました。パイロットに回転数の保持を指示し、同じ条件でフライトを行いました。
機速:10.5 回転数:108でした。

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3本目 短距離試験
浮上後すぐに落ちてしまったため、まだ安定側に強いと判断しました。このフライト後、テール部分に重り50gを追加しました。
機速:10.5 回転数:115でした。

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4本目 短距離試験
設計機速まで達しておらず、推力が不足していると判断しました。 ペラピッチを0.5度上げました。(絶対値:-0.5度)
機速:10 回転数:110でした。
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5本目 短距離試験
まだ安定側の傾向が見られました。重心測定の結果と主翼風圧中心の解析値から翼位置を動かすと不安定側に陥る可能性が高かったため、製作担当者やOBさんを交えて議論をいたしました。その結果、機体の実際の挙動を重視し、翼位置を20mm前に動かすこととしました。ただし、保険として、トリムをニュートラルからDOWN側に1度切りました。また、重りはすべて取り外しました。念のため、エレベーターは切らず、地上滑走で浮くかどうかを見ることとしました。
機速:10 回転数:105でした。

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6本目 短距離試験
北端の横風が強いため、T-MITとの交渉の結果、スタート位置を100m南にずらしました。 後輪が浮き、一瞬だけ前輪も浮上しました。この時エレベーターは入れておりません。 なお、フライトログを取るためのSDカードを入れ忘れたため、ログはありません。

7本目 短距離試験
トリムを1度UPにし、0度としました。設計機速に達したあたりで後輪が一瞬だけ浮きました。この時点で機体を浮かせても発散することはないと判断し、次回以降エレベーターを入れることとしました。
機速:10.5 回転数:109でした。

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8本目 短距離試験
エレベーターを入れて浮上しましたが、すぐに機首下げとなり、着陸いたしました。このため、まだ安定側にあると判断しました。
機速:11.2 回転数:110でした。

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今後は8本目のセッティングに加えアップトリムを取り、機体の安定的な滑空を目指します。

第4,5回試験飛行

5/30(金)から6/1(日)にかけて第4回、第5回試験飛行を行いましたので、報告いたします。 今回よりフライトの動画は機体が浮いたものに限って貼付けします。
それ以外の動画に関してはページ下部にある動画リストへのリンクを辿っていけば見られます。

5/31(土) 1日目(第4回)

前回のフライト前にギアボックス固定用の板が割れてしまいましたが、今回はギアボックスのアルミ板自体を桁に固定することで対応しました。 出発前日の駆動試験において異音はなく、正常動作を確認しました。 なお、破断したギアボックス固定用の板は再作成が時間的に困難と判断し、行いませんでした。次週までにサンド材にて作り直す予定です。
出発直前、表示系(ネクサス7を使用。以下ネクサスと略記)とセンサー類とのコネクトができない状態となり、予備のものに取り替えました。

前回のフライト結果を考慮し、 ・翼位置を20mm前に出す

・ペラピッチを1度下げて目標回転数を100に上げる

・車輪を抵抗の少ないものに変える

上記3点の変更を加えました。 また、車輪の軸受けが長くなるように作り直し、車輪の変更と合わせて1.4度の迎角上げとしました。

組み立て時に北向きの強い風(約4m/s)が吹いており、ラダーの組み立てを行いませんでした。 ラダー以外の組み立て終了後に操舵試験を行い、問題ないことを確認しました。

操舵試験後に駆動試験を行いました。 回転数を70前後に上げたときに、ネクサスマウントのスタイロとドライブシャフトが干渉しました。このためマウントを一旦取り外し、干渉しないように削り再接着しました。 これは前述のネクサスを取り替えた際にマウントが動いてしまったためと考えています。

駆動試験後に重心測定をしました。 この時点でも北向きに強い風が吹いていたので機体を南向きにし、風に対して正対させて行いました。風などの影響を考慮した結果、エレベータートリムをダウンに1度取った安全側からスタートさせることとしました。

今回も機体の重心位置調整のため、浮いたときの挙動を見る目的で試験飛行を行い、計11本のフライトを行いました。 天候は曇りでやや湿度が高く、風は明け方には北向きに微風であったため、フライトはすべて南向きに行いました。

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第3回試験飛行

前回、車輪による迎角上げが不足していると考えられたため、後輪を一回り小さいものに変更し、「迎角1.4度」としました。前回より1度上がったことになります。

また、駆動は桁内部のギアボックスを固定する用の板に回転拘束を施し、火曜日(5/20)での駆動試験にて問題なしと判断しました。

しかし、前日(5/22)の駆動試験にてギアから金属がぶつかるような音がわずかにしていたため、柔らかいものでスペーサーを作り対処しました。 この変更に伴い、駆動試験の時間を長めに確保するため、組み立て開始を当初予定より30分早め1:00としました。

組み立てはスムーズに進み、2:10に組み立てが完了しました。 組み立て後、操舵試験をしたところラダーが途中でニュートラルに戻るバグが発生しました。
今回は操縦桿では不可能な急な入力値変更に対してラダーを動作させないプログラムを組むことで対処しました。
後述の駆動試験後に操舵試験を行いましたが、異常は見られませんでした。

操舵試験終了後に駆動試験を行いました。90回転を行ったところ、桁内部のギアボックスから大きな異音がしたため中を確認したところ、ギアボックスを固定するための板どうしをつなぐアルミ棒の接着が剥がれており、剥がれた側の板にヒビが入っていました。このままでは修復が難しいため、板を完全に割り、その場にてカーボンプレートで補強しつつ、エポキシで接着しました。

その後の駆動試験では異常が見られなかったため、このまま試験飛行を実施することとしました。

天候は晴れで北から微風が吹いている状況でした。このためフライトは全て滑走路中央から北向きに行いました。

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2014年度第2回試験飛行報告

到着後明け方にかけてやや強い風が吹いておりましたが、日の出のころには無風~微風に変わり、かなりよい条件でした。

滑空場に到着後休憩を取り、組み立て前に荷物を整理していたところパイロット用具を作業場に忘れていたことに気がつきました。また、尾翼と尾翼基盤をつなぐケーブルも忘れており、その場で作成しました。 対応を協議した結果、作業場に取りに戻ってもフライト時間を確保できると判断し、OBさんに車を出していただいて戻ることとしました。

現役の無理なお願いを聞いていただいたOBさんに重ねて御礼申し上げます。

今後このようなことの起きないよう以下の対策を講じていきます 1、 積み込みチェックリストの作成(全体チェックリストとは別) 2、 積み込みチェック担当者の指名 3、 車で移動する者のうち、忘れ物をチェックする担当者の指名 人数が増えたこともあり、チェック作業が他人任せの状態となり、今まで慣習的にやっていたことがおろそかになっていたと考えられます。 これを踏まえ、チェック作業担当だけでなく、チーム一同気持ちを切り替えて今後の試験を行ってきます。

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2014年度第1回試験飛行報告

まず、本来であれば例年通り4月26日(土)に実施する予定でしたが、本郷キャンパス内で起きた火事の影響で一時的に作業場が使えない状態となり、作業に大幅な遅延が生じてしまいました。 そのため、準備が間に合わず延期としました。

この窮地の際に、一時的に機体を置くスペースを確保していただいた関係者の皆様にこの場を借り、重ねてお礼申し上げます。

ありがとうございました

 

さて、以下試験飛行の内容についてです

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2013年度第15回試験飛行報告

7月20日(土)早朝に実施しました第15回試験飛行について報告いたします。


今回は先日のクラッシュ、荷重試験の後に行った各種修理、改造でずれてしまった重心位置の再調節を目的としたものでした。大会まで1週間を切っており、機体の新たな破損が生じた場合出場辞退の可能性が高かったことから、調整は重心測定によるものをなるべく厳密に行い、フライトはプラットフォームから無事に飛び立てると推定される最低限の本数のみ行う方針にしました。

F-tec以外に滑走路使用チームはいませんでした。残念ながら天候には恵まれなかったものの、何とか無事に1本のフライトを行うことができ、最低限の重心位置の確認を行うことには成功し、終了後、大会出場の決断を下しました。

1時30分に通常通り組立を開始しました。組立中微かに雨がぱらついていましたが、重心測定の時間帯には止んでいました。翼胴接合時に翼がコックピットに対して目視で気になるほど垂直でない不具合が見つかりましたが、その場で組み直しをしたところ解消しました。また主翼組立時に左最外翼の翼端のリブ3枚にヒビがあり、桁に対して接着がはがれた状態であることが発覚しました。クラッシュ時又は荷重試験時に発生したものを見落としたものと思われ、とりあえず応急処置を施しました。

又、エレベーターのサーボのコネクタの通電不良が発覚したため、コネクタを交換すると同時に他のサーボの点検も行いました。

3時42分に駆動試験を開始しました。始めた直後に一度だけ胴体桁から異音がしましたが、点検の結果何も見つからず、その後の駆動試験でも音はしませんでした。

その後に重心測定を行いました。荷重試験後に翼を両翼で800mm短縮しており、約6kg分の揚力を失っていたことから、今回は迎角を0.4°あげて3.4度にし、機速は今までと変わらず9.5m/sのセッティングにしました。迎角の変化による揚力中心の移動に合わせて、出発直前に本郷で測定した各機体パーツの重量等から計算した値をもとに、重りの調節をしながら3セット重心測定を行い、最終的にエレベーターV字のおもりは100gとし、重心位置は36.2%に合わせました。尾翼の初期トリムはクラッシュ前を参考に3度にしました。4:23に重心測定を終了しました。

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2013年度第13,14回試験飛行報告(07.06,07)

遅ればせながら、先週7月6日(土)および7日(日)早朝に実施しました第13回・14回試験飛行について報告いたします。

 


7/6(土) 1日目

初日の6日は組立開始時刻の02:00時点で滑走路上で風速約9m/sの強風が吹いており、結局05:00になってもやむことはなかったため、残念ながら1本もフライトを行えませんでした。

7/7(日) 2日目

今回はTeam’F’,T-MITと計3チームで合同で滑走路を使用しました。2:00に組立を開始し平常通り操舵試験、駆動試験を行った結果異常はありませんでした。4時前のまだ暗いうちに機体を北端から南端へ移動し、フライトの準備をはじめました。機体のセッティングは前回の試験飛行の最終フライトと同じで、日の出とともにフライトを開始しました。尚、今回までのログviewerのエレベーター切れ角の表示が不正確だったことが試験飛行に出発する前の動作試験で発覚したため、今回から修正してあります。
風は1本目と2本目のフライト実施時にはほぼ無風でした。


1本目:飛び切り直線飛行 4:25
約750mの滑走路を利用して行いました。最大対気速度は10m/s、回転数は100rpm、高度は2mでした。 プッシャーの手が離れた後一瞬左へそれましたが、滑走中に操舵で修正し、浮上後は時折エレベーターを入れながら若干頭上げ気味ながら、安定した飛行を見せました。

この後、パイロットの要望により、トリムを0.5アップにし、3.5度にしました。

2本目:S字飛行 4:50
距離は1本目と同様で行いました。最大対気速度は10.5m/s、回転数は98rpm、高度は2.5m/sでした。
真っ直ぐ滑走した後に浮上し、最初に右(東側)に緩やかに弧を描き、次に左(西側)に弧を描いた後に着地しました。

この時点で、琵琶湖での飛行に向けた機体のセッティングは完全に完了したとみなし、以降はパイロットの操舵訓練を意識して行うことに決定しました。

3本目:S字飛行 5:40
距離は1本目と同様で行いました。最大対気速度は10m/s、回転数は90rpm、高度は3mでした。 前のフライトと同様に若干大きめに弧を描き飛行しました。風は正面から0.1m/sでした。

4本目:S字飛行 6:09
このフライトは、時間的に今年の最後から2番目のフライトになる可能性が高かったことから、機体性能評価と操舵のより一層の習熟を狙って、前のフライトより大きめに舵を切るよう、フライト前にパイロットに指示しました。最大対気速度は10.5m/s、回転数は110、高度は3mでした。
このフライトも右に最初に舵を切る予定でしたが、離陸直前にわずかに左にロールしており浮上後機体は左に進んだため、そのまま左に弧を描いた後右に弧を描くコースにその場で変更しました。両旋回とも滑走路の敷地内ぎりぎりまで機体が到達し、右側への弧を描いた後、滑走路へ機体を戻す際に舵を切りすぎてしまい、機首を滑走路方向に戻しきれないまま 滑走路脇の草地へ墜落しました。幸い、パイロット含め怪我人は発生しませんでした。 風は進行方向右から0.5m/sでした。


今回の試験飛行が最終の試験飛行の予定でしたが、墜落によりコックピットの前部パイプが破断、フェアリングと水平尾翼が中破したため、修復が出来ても重心位置が大幅にずれることが考えられるため、修復が完了し、翼桁の荷重試験を行い安全が確認出来次第、再び最終試験飛行を行う予定です。

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2013年度第12回試験飛行報告(06.30)

先週30日(日)早朝に実施しました第12回試験飛行について報告いたします。

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今回はWASAとの合同TFになり、F-tecは北側400~600mの滑走路を使用させて頂きました。風が強く、予定していた本数のフライトを行えなかったのが悔やまれます。

1時40分に組立を開始しました。組立は3時に終わり、その後の操舵試験中に、前回の試験飛行の後に交換したエレベーターサーボの固定部のネジを1本締め忘れたのが見つかったため、その場でプランクを切り開いてネジを締めました。エレベーターの前縁のスタイロの裏側で非常に見にくい場所でしたが、事前チェックの甘さが痛感されました。その場で全サーボ、駆動系のネジの確認を行いました。また、操舵試験後の駆動試験で、椅子の背もたれのスタイロが割れましたが、フィラメントテープを上から巻き対処しました。

その後、重心測定直前にパイロットが周囲の人へ十分に告知せずにペラを回転させ姿勢確認を行ってしまいましたが、幸い事故にはいたりませんでした。この際前側の体重計の測定手が驚き、その後ずれた姿勢で測定を行ったためか、最初に得られたデータでは明らかに前部車輪の重量データのみ1kg以上前回とずれた結果となってしまいましたが、その後測定手の姿勢の確認、機体の乗せ直しを行ったところ、ほぼ計算通りの結果(予測重心位置とのずれは約2mm)となっため、この値を採用しました。

尚、今回はおもりをテールに100g追加し計300gにし、尾翼トリムは2.5°のまま、車輪は「0.4°迎角上げ」の物を使用しました。

更にプロペラは完成したばかりの2号ペラを使用しました。この2号ペラは第4回試験飛行の際の駆動試験で1号ペラの外皮に亀裂が入った不具合を受けて、リブと外皮の接着面積を増やすなど工夫をしています。これにより重量は1号と比べて増加しましたが、使用して問題は見受けられなかったため、大会では2号ペラを使用します。

1本目のフライト直前にコックピット内のタブレットが計器との接続エラーを起こしたため、表示するプログラムのバージョンを前の物に戻し、対応しました。

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* 1本目:中距離試験  (4:38)
121

風は南西から1.5m/s、回転数は95、対気速度8.5~11.5m/s、最高高度は約2mでした。滑走中にヨーしたため、グラウンドクルーがストップを掛けましたが、同時に浮上したため、パイロットの判断によりそのまま、浮上してコースを修正しつつ300m程飛行しました。風の影響かピッチングの多い飛行になりました。また、着陸時にグラウンドクルーの最終ライン直前まで迫ってしまい、グラウンドクルーがとっさの判断で翼の下を前側からくぐって機体を止めました。この後グラウンドクルーの配置位置の見直しを行いました。
尚、着地時の衝撃でチェーンが外れてクランクに絡まり、テンショナーに無理な力がかかりテンショナーと引きばねを結ぶケブラーが切れました。まだ、若干頭下げの傾向があると判断したため尾翼トリムを0.5°アップに入れて3°としました。

フライトの後、機体を滑走路北側へと移動しテンショナーのケブラーを巻き直し再開しました。

* 2本目:中距離試験  (5:05)
1202

風は南南西から1.5m/s、回転数は95、対気速度は9.5~12m/s、最高高度は約2mでした。トリムアップの他パイロットに意識的にエレベーターの操作を減らすよう指示したこともあり、上下のピッチングは改善されましたが、やはり多少不安定な飛行になりました。機体が水平時に高度を失う傾向が少し見られ、無風の場合若干頭上げでの飛行が安定すると思われます。2本目も着地後にまたチェーンが外れ、ケブラーが切れました。

今回の試験飛行ではチェーンを今まで使用していたものと少し違う型の物に変更したため、外れた後に今までと違う絡みつき方をし、テンショナーのケブラーを切断してしまうものと思われます。次回以降は、前回までと完全に同じ型のチェーンを使用する予定です。この場では前回使用のチェーンに交換しました。

5:40程に修理は完了しましたが、その後1時間程風が土手側から2m/s~4m/sと断続的に吹き続け、風待ちを行いました。

* 3本目:C字飛行  (6:37)西南西から風が1.5m/s~2m/sで吹いていました。滑走中にエルロンで復帰不能なほど機体が風でロールしたため、滑走路上でストップをかけました。

この後、フライト可能なほどには風が弱まる気配がなかったため、発進練習を行いつつ、風待ちを行うことにしました。

* 発進練習1本目  (6:53)
プッシャーが機体のロールを抑えることが出来、前回よりも比較的まっすぐ発進することができました。

* 発進練習2本目  (6:58)
風の影響かロールがまたついてしまい、それを直そうとしてプッシャーの一人が想定されるプラットホームの位置からはみ出してしまいました。

その後、少し風が弱まってきたためまたフライト待機に移りました。

* 4本目:C字飛行  (7:14)
滑走中に右に大幅にヨーしたため、滑走路上でストップをかけました。この時間も主に西から風が吹いていたため、風見効果だと考えられます。

7:18に解体をはじめ、7:55に無事滑走路上から撤収完了しました。

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今回のフライト本数が少なくなってしまった一番の原因は横風が強かったことですが、電装類の本郷でのチェックの強化、駆動系のチェーン周りの見直しが課題としてあがりました。

次回が最終試験飛行の予定で、機体の重心位置の変更は今後は行いません。今回の試験飛行でパイロットがエレベーターの操作に習熟でき、かつ直線飛行の自信を得たため、次回はエルロンを用いたC字・S字飛行を中心に行います。よろしくお願いします。


全フライトの動画は以下のリンクよりご覧ください。
2013年度 飛行理論実践委員会F-tec 第12回試験飛行