2011年度第3回試験飛行報告(06.05)

第3回試験飛行は6月4日深夜から5日早朝にかけて行いました。

組み立て開始は1時の予定でしたが、現地到着後、駆動機構に修正個所が見つかり、対応により 30分遅れでスタート。

フライト開始目標には無事間に合い、4時過ぎにスタートしました。

セッティングは、前回より上反角をあげて5.5deg→7.5degに。

また、翼位置が接合の際にずれ、1.5mmほど後退。 現地での微調整は困難なため、このままで行くことに決定。本郷での準備不足です。

今回は、パイロットのエレベータも含めた操縦訓練(前回まではラダ―操作のみ)のため、短距離試験からスタート。 全て北向きのフライトです。

フライトの記録
  • 1本目(ほぼ無風): スタート直後から進路が右にそれたためストップ。スターティングメンバーのミスと思われます。
  • 2本目(わずかに北の風): 後輪がわずかに浮いてストップ。機速は8.0m/s、回転数は90rpmほど。
  • 3本目(北の風0.5m): 頭下げ状態で後輪のみわずかに浮く。機速9.0m/s、回転数は95rpm。機速は高いですが…
  • 4本目(北の風1.5m): 頭下げ状態でわずかに浮き、ストップ。機速8.6m/s。

ここで回転数が取れていないという問題が発生。原因を調査したところ、回転数計の磁石が取れて いることが分かりました。

3本目でチェーンが外れた際に磁石に触れ、外れてしまったものと思われます。以降、磁石をテープで止める応急処置を施しました。

  • 5本目(北の風1.5m): 頭下げ状態で滑走。機速8.2m/s、回転数92rpmほど。

ここまではスラストで引っ張り、浮かそうという方針でしたが、パイロットがこれ以上はきついと いうこと、頭下げで滑走していることから、前回より重心位置が前に出ている(フェアリングが一 部ついた影響?)か翼位置が下がったことにより迎角が下がっていると判断し、エレベータトリム を2.0degアップに。

  • 6本目(北の風1.0m): 機速8.3m/sほどで浮上。3回浮上→降下を繰り返し、ストップ。ピッチングがかなり激しい挙動を示しました。

ログはこちら。

3-6

回転数の変化により高度が敏感に上下していることが分かります。全体として、パイロットの出力変化が高度変化を発散させる方向に働いてしまったようです。

この、機首が上がりやすい傾向をおさえるため、エレベータトリムを1degダウン。

  • 7本目(北の風1.0m): 浮上せずやや頭下げ気味で滑走。安定していませんが、機速8.5m/s、回転数93rpmほど。
  • 8本目(わずかに北の風): やはり頭下げ気味で滑走、ストップ。機速8.5m/s、回転数95rpm。

回転数は上げられず、浮上しないということで、エレベータトリムを0.5degアップに。

  • 9本目(北の風1.0m): 30m強、ほぼ水平に滑空。進路が左にそれたため、ラダ―で修正した際、抵抗が増したため高度が下がり、着地。回転数はほぼ95rpmで維持できています。

3-9

縦の挙動に問題なしとして、今回は風が弱く、滑走距離が長いこと、長めに飛ばなければパイロットの操縦慣れが見込めないことから、距離を延ばすことに。以降は中距離試験です。

  • 10本目(わずかに北の風): わずかに浮上した状態で滑空。滑走路右端に近づいたため、パイロットがエレベータで機首を上げ、高度をあげてからラダ―操作。進路を修正して着地。機速は8.2m/s程度、回転数は95rpmをピークにずるずる下がっています。

3-10

エレベータ(水色)が下に切れた時に高度があがっている様子がよくわかります。

エレベータ操作への応答は速く、よい様子です。ラダ―操作についても、舵角・時間などパイロットが慣れてきたこともあり、進路修正が上達しつつある気配を感じます。

  • 11本目(ほぼ無風): わずかに浮上して滑空。機速は7.5m/s、回転数は93rpmを山にして下がっており、パイロットの疲労が感じられます。エレベータ・ラダ―による進路変更はうまくできており、滑走路逸脱は回避できました。
  • 12本目(ほぼ無風): エレベータ操作により2度浮上も、回転数が落ちているため定常飛行には至らず。2度目の着地はややハードに。ログを見ても、回転数を維持できていないのが分かります。

3-12

ハードランディングについては、機速がのっていないところに無理やりエレベータで上げたため、エ レベータを戻した際に落ちたと言えます。このエレベータ操作に関してはラダ―での進路変更を利か すためなのでやむをえませんが、回転数をもう少しあげるべきだったかもしれません。パイロットの 体力にもよりますが…

  • 13本目(ほぼ無風): 浮上するも、左に流され、回転数が維持できずラダ―で修正中に着地。機体にダメージはありませんでしたが、横滑りしながらの着地で、危険性が高いフライトでした。エレベータ操作もしていますが、間に合わなかったようです。

今回の反省点としては、準備が足りず、前回設定の再現性が低かったこと。これにより、機体の挙動が大きく変わってしまい、その修正に時間を費やされました。

全体的に、パイロットが前回ほど回転数を出せませんでした。終了後にペラピッチを確認したところ、なんと前回と比べてずれていたことが発覚しました。取り付けミスのようですが、今後そういうことのないよう、組み立ては慎重にやらねばなりません。

全体的に、準備の面での不備がめだったTFでした。

ですが、パイロットの操縦慣れもだんだんとできているようなので、調整しつつ、距離を伸ばしていきたいところです。

とりあえず今週末の天気が怪しいですが・・・


動画

動画です。例によって全フライト、2アングルHD画質です。 http://www.youtube.com/user/10Ftec#grid/user/C332785AE9083AEB