2011年度第8回試験飛行報告(07.10)

日曜日に行いました、第8回試験飛行について報告いたします。

梅雨明け後ということもあり、天気には問題なく、2時に組み立てを開始し、3時40分には準備を完了。重心測定の後、若干横風の強い中4時半にフライトを開始しました。

フライトの記録
  • 1本目短距離飛行(2時の方向から1m):風で左に流されるも、ラダ―で回復し、着地。

横風が定常的に吹いている中での試験飛行は初ということで、偏流飛行の練習を意識しながらもう一本。

  • 2本目中距離飛行(2時の方向から1m):また左に流れるが、修正はできています。

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ログを見ると、ラダ―を入れての復帰操作がよくわかります。エレベータは飛行中ほとんど入っておらず、定 常で飛ぶことに問題はないようです。もう1本練習。

  • 3本目中距離飛行(2時の方向から2m):離陸後しばらく左に流れるが、進路を修正、しばらくまっすぐ飛び、再び流されたのちラダ―を入れて着地。

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風が安定している間は偏流飛行できるようですが、風が変化したときへの対応は富士川滑空場の滑走路幅では復帰するのにぎりぎりなようです。左に流されてからラダ―を入れ、ヨーが触れてからバンクが戻り、進路を戻すのに時間にして8秒、飛距離にして70m弱を要しています。しかしながら、横風への応答とその中でのラダ―の効きは確認はできた形で、パイロットの経験値は確実に増していると感じます。

ここから、エルロン試験に移行。

  • 4本目中距離・エルロン試験(1時の方向から1~1.5m):離陸後すぐにエルロンを右に入れましたが、効きは確認できず、左に流されて草地に後輪を摺り、停止。

いくつか問題点のあったフライトでした。

①パイロットの起動忘れにより、ログ取得失敗

②草地の上で高度を下げ過ぎたことにより、後輪を枯れ草の塊に突入させてしまう

③操縦桿が故障し、着陸直前に操舵不能に

特に③について、すぐに問題点は判明したものの、その修正に一時間以上を要してしまいました。 その後、距離を短く取って操縦桿の動作を確認することに。

  • 5本目短距離飛行(3時の方向から1.5m):やはり左に流されるものの、ラダ―で修正。

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ログを見ると、着地前に大きく高度があがっていることが分かります。これは最後に滑走路に復帰するために一度高度をとってからラダ―操作をしたもので、こうしたパイロットの現場判断は確実にうまくなっています。

操縦桿には問題なしということで、エルロン試験再開。

  • 6本目短距離・エルロン試験(3時の方向から1m):一度大きく滑走路を外れてから、なんとか復帰し着地。

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非常に危険なフライトでした。ログや動画によると、

浮上後、しばらく左にエルロンを入れ続ける(事前の計画では右に入れるはずでしたが、スタメンの声をパイ ロットが勘違いし、左に入れてしまったようです)

→横風(とエルロンの効果?)で左に大きめにバンクがつき、進路左に

→(ここで異変を感じた設計がストップを叫ぶ)

→エルロン・ラダ―ともに右、同時に高度下げるが、このままでは草地でのランディングとなるため、再び上げる

→(このあたりで滑走路左端の低木に翼が接触しかける)

→ラダ―を入れ続け、右にバンクがついて急旋回

→滑走路に復帰して着地

という流れのようです。あの状況で機体に損傷がなかったのは幸運だったと思います。が、危険なフライトを防ぐための反省点としては、

①左右方向への指示者を設計に限定し、その他人員は不必要なことを叫ばない

②フライトプランは事前にパイロットと他のメンバーでコンセンサスを得ておく

ということがあげられると思います。 反省を踏まえ、もう一本同条件でフライト。

  • 7本目短距離・エルロン試験(3時の方向から1m):エルロンを右に入れるも左に流され、エルロンとラダ―を同時に右に入れることで復帰。

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高度は3mを維持しています。今回は危険な状態になることなく復帰できましたが、やはり右からの横風がある状態でエルロンのみ入れたとしても、その効果よりは横風と上反角効果でバンクがつき、流される効果のほうが大きくなってしまうようでした。流された後にラダ―とエルロンを同時に入れた時には効果が少しは見られるようですが・・・

フライト後に駆動系に故障が見つかり、試験飛行はここで終了となりました。

大会3週間前の試験飛行でしたが、トラブルが多発してしまいました。できる限りの修正を施し、次回の最終試験飛行に臨みたいと思います。

動画

動画はこちらからどうぞ。 http://www.youtube.com/user/10Ftec#grid/user/155E7F141CE1F9CE