2013年度第15回試験飛行報告

7月20日(土)早朝に実施しました第15回試験飛行について報告いたします。


今回は先日のクラッシュ、荷重試験の後に行った各種修理、改造でずれてしまった重心位置の再調節を目的としたものでした。大会まで1週間を切っており、機体の新たな破損が生じた場合出場辞退の可能性が高かったことから、調整は重心測定によるものをなるべく厳密に行い、フライトはプラットフォームから無事に飛び立てると推定される最低限の本数のみ行う方針にしました。

F-tec以外に滑走路使用チームはいませんでした。残念ながら天候には恵まれなかったものの、何とか無事に1本のフライトを行うことができ、最低限の重心位置の確認を行うことには成功し、終了後、大会出場の決断を下しました。

1時30分に通常通り組立を開始しました。組立中微かに雨がぱらついていましたが、重心測定の時間帯には止んでいました。翼胴接合時に翼がコックピットに対して目視で気になるほど垂直でない不具合が見つかりましたが、その場で組み直しをしたところ解消しました。また主翼組立時に左最外翼の翼端のリブ3枚にヒビがあり、桁に対して接着がはがれた状態であることが発覚しました。クラッシュ時又は荷重試験時に発生したものを見落としたものと思われ、とりあえず応急処置を施しました。

又、エレベーターのサーボのコネクタの通電不良が発覚したため、コネクタを交換すると同時に他のサーボの点検も行いました。

3時42分に駆動試験を開始しました。始めた直後に一度だけ胴体桁から異音がしましたが、点検の結果何も見つからず、その後の駆動試験でも音はしませんでした。

その後に重心測定を行いました。荷重試験後に翼を両翼で800mm短縮しており、約6kg分の揚力を失っていたことから、今回は迎角を0.4°あげて3.4度にし、機速は今までと変わらず9.5m/sのセッティングにしました。迎角の変化による揚力中心の移動に合わせて、出発直前に本郷で測定した各機体パーツの重量等から計算した値をもとに、重りの調節をしながら3セット重心測定を行い、最終的にエレベーターV字のおもりは100gとし、重心位置は36.2%に合わせました。尾翼の初期トリムはクラッシュ前を参考に3度にしました。4:23に重心測定を終了しました。


  • 1本目:走行試験(4:46)
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特に問題は見受けられませんでした。

2本目を実施しようとした直前に小雨が降り出したため、一旦フライトを中止し、プロペラを外し、翼カバーをかけ待機姿勢をとりました。幸い雨は30分ほどで止んで、機体をフライト姿勢に戻せたものの、次に風が常に東から3m/sと続き、風待ちを強いられました。
* 2本目:ジャンプ試験(6:27)
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風が断続的に強く吹いている中、風速が東から1.5~2m/sになった一瞬のすきをついてジャンプ試験を行いました。機体はプッシャーから離れる直前から浮上を開始し、風に煽られつつも川側を向きながら編流飛行をし、着地しました。全体的に頭上げの姿勢でしたが、琵琶湖のプラットフォームから無事飛び立てる程の重心はとれていることが無事確認できました。
その後も風は強く、結局今回の試験飛行で行えたフライトはこの1本のみになってしまいました。後程ログで確認したところ、頭上げ姿勢ではありましたがフライト中ほとんどの間エレベーターを入れていたため、大会本番でトリムはこれ以上下げることはことはせず、この設定を維持して行く予定です。

自衛隊がこの後滑走路を使用する予定があったため、本日は7:30に完全撤収しまし た。


今回が今年度最後の試験飛行になりました。今年は合計15回と、例年の1.5倍もの回数も試験飛行を行うことになりましたが、回数が増えた原因として、重心の合わせ方に問題があったことと、序盤でのTF中の手際、事前の準備態勢が悪かったこと、クラッシュがあったことなどがあげられます。最終的な機体の仕上がりも、まだ調整の余地がある状態であることはいなめません。来年は今年得た多くの教訓をもとに、より効率良く試験飛行を行えるよう徹底して行きたいと思います。
最後に、数多くの試験飛行の間、ご支援していただいた方々全員に感謝を申し上げます。

大会では良い結果を残すためにチーム一同ベストを尽くしてまいります。