2000年度作業日誌

!作業日記

1999年10月

10月16, 17日

今期初作業です。とはいっても作業場の大掃除。物が溢れていて作業スペースが取れないので、いらないものはどんどん捨てていきます。こんなものがあったんだというようなものや、ずいぶん以前に行方不明になっていた道具や、何に使ったのか分からない謎な物体まで出てきて、驚きの連続でした(こんなになるまで整理していないのは問題ではありますが)。

作業場はあちらこちらで雨漏りしています。当然、真下の床は湿っていて、木箱が置いてあったりすると、底が腐っているわけですが、その箱をどかすと…

ゴキブリがうじゃうじゃ出てきました。メンバーのうちの一人がそれを生け捕りにしました。まったく何やってるんだか^^; ちなみに右がゴキブリを捕まえた張本人。左が来年のパイロットです。

さらに、あまりに雨漏りがひどいので屋根の下の屋根を建て増ししました。完成すれば約2年ぶりに乾いた床にお目にかかれることでしょう。来週完成予定。

そんなこんなで2日間に渡る大掃除は終わり、全部で70リットルのゴミ袋70袋のゴミを出し、どうにか片付きました。来週からは飛行機を作りたいです。

10月23, 24日

主翼の製作のための作業台を作りました。大まかな構造はほぼ完成しました。24日には、コックピットのモックアップの製作に着手しました。

先週に引き続き屋根作り。何回も作っているので、着々と技術が向上しています。なんだかなあ… 今回の作業で作業スペースの半分以上に屋根が取り付けられました。受けた雨水はといを通って窓の外に排水されます。とても屋内とは思えないような雰囲気になりました。

10月30, 31日

たんせい七號(’99鳥人間コンテスト参加機)の胴体の加重試験をしました。この機体では胴体パイプの剛性不足が問題となっていたので、次期機体の設計の参考のため試験を行いました。水を入れたペットボトルを胴体の端にぶら下げ、変位を測ります。
先週から製作しているコックピットのモックアップも完成しました。最初の設計案より高さを10cm短くしても、パイロットが乗る空間が十分確保できることが分かりました。
また、たんせい七號のCFRPパイプのうち次回の機体に流用する部分を取り出し、余計な部品を取り外す作業もしました。

1999年11月

11月6, 7日

野田の鳥人間チームの方々が見学にいらっしゃいました。野田のチームでは来年の機体でCFRPパイプを使いたいとのことで、いろいろと調査をされているようでした。

6日、7日と連続で新メンバーが誕生しました! 2年生の浮田君と田中君です。今週末はコックピットの製作に備えて、CFRPパイプの加工の練習をしました。パイプを加工したときに出る粉塵は有害なのでゴーグルとマスクは欠かせません。今回は、パイプとパイプをT字型に接合するために断面の形状を加工する練習をしました。

11月13, 14日

ついに本格的な作業に入りました! まずはCFRPパイプの加工から、といきたいところなのですが、パイプの納品は12月中旬。作業は主翼・尾翼のリブの製作からスタートしました。リブは5mmの厚さにスライスしてある建築用断熱材を翼の形に切って作ります。下の写真がリブを切っているところです。ニクロム線に電気を流し加熱して切ります。この写真には写っていませんが、すぐ横にスライダック(電圧を調整する装置)があり、ニクロム線の温度を調整できます。

作業はとても順調に進みましたが、途中でちょっとしたアクシデントが発生。リブを切り終わり、電圧を0Vするつもりが間違ってツマミを反対にまわしてしまい、電圧MAX(130V)でニクロム線が吹っ飛んでしまいました。幸いにして怪我もなく無事でした。確かにつまみをまわす方向が分かりにくいので、つまみに回す方向が大きく書き加えられました。

14日には操縦桿の試作も始まりました。前回の機体で問題となっていたエレベーターとラダーの連動を極力なくすことが課題です。早くも大体の形が完成してしまいました。強度、剛性とも問題なさそうで、このまま本番用として使っても良さそうなくらいの出来です。

今週末の作業はたいへんはかどりました。もしや年内完成か?と一部でささやかれています。(さすがにそれはないです)4月中旬の完成予定に向けてまずまずのスタートです。

11月20, 21, 23日

21~23日は駒場祭のため、大した作業はしませんでした。

11月27, 28日

27日は、リブの型紙を担当者が山手線の網棚に忘れてしまったため、作業は若干遅れてスタート。ちなみに、忘れ物は山手線を半周して回収されました。引き取りに行くと結局一周してしまうことになるので最悪です。

今週末は主翼のリブの製作や、2年前の機体から流用した胴体パイプから余計な部品を取り除く作業などをしました。また、先週作った試作操縦桿をコックピットのモックアップに取り付けて位置の検討をしました。

今週末は、この冬はじめてストーブで焼きいもをしました。アルミホイルでうまくくるんでやると1時間ほどで焼けることが確認されました。みんな暖かいストーブの周りから離れたがらないので、作業がなかなか進みません。

メンバー募集のための立て看板も作りました。あとは看板に貼る絵を用意するだけです。

1999年12月

12月3日

鍋をしました。作業場では、カーボンの粉塵などがちょっと不安ではありますが、細かいことは気にしない気にしない(^^; 安く済んだし(1人700円位)、なかなか良かったです。今度は作業場で焼肉をやろう。

12月4,5日

作業はいつも通りだったのですが、作業中にかかっているFM放送のせいでK高氏がご機嫌斜めでした。話題が「2000年」「ミレニアム」「クリスマス」ばかりでけしからん、ということらしいです。

12月11日

ヤマハチーム主催の学生チームミーティングがあったので、作業はお休みです。

12月18,19,20日

ついに注文したCFRPパイプが届きました。請求書ももうすぐやって来てしまいますが… 早速、コックピットと主翼の治具の製作に着手しました。

12月23,26,27日

F-tecの機体では、スパン29mの主翼を7分割してあります。組み立てる際には、一方のパイプに他方のパイプを差し込んで金具で固定します。パイプとパイプの重なり部分はそのままにしておくと曲げがかかったときにつぶれてしまうので、中に発泡ウレタンをつめます。

発泡ウレタンは主剤と硬化剤の液を混ぜると発泡して固まるものを使います。ところが、気温が低かったため発泡ウレタンが予定通り発泡せず、しかも深く考えずにさらに液を追加してしまったため、気付くとめちゃくちゃ重くなっていました。発泡してないから密度が大きいというあたりまえのことが起こっただけなのですが。

とにかくこれではいけない、というわけで発泡ウレタンを取り除くことになりました。ドリルに装着するフレキシブルシャフトを購入し、先端にやすりをつけて削り取っていきます。こんなことしてカーボンパイプは大丈夫なのかと不安になりますが、、、多分大丈夫でしょう。多分… 粉塵がすごいため、みんな白衣を着ています。おまけにゴーグルまでしているので怪しい雰囲気です。

2000年6月

6月3日

この日は午後6時頃に千葉県北東部を震源とした地震がありました。震源に近いところでは震度5弱、東京でも震度3だったらしいです。作業場もかなり揺れました。
地震がやんだ後、廊下の壁に何気なく目をやると、見慣れない亀裂が入っていました。作業をしている部屋の壁にも真新しいひびが見つかりました。大丈夫なんでしょうか、この建物は。鳥人間コンテストまでは、どうか大きな地震が起こりませんように…